Project

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ブランド力を高めるCM戦略
──CMに込めたSBSの想い

著名タレント起用でブランド力向上を図り、2024 年から高橋文哉さんをイメージキャラクターに採用。倉庫やロボット活用を描く CM を制作し、認知度向上と社員の一体感を促進。今後も魅力発信の TVCM 制作を続けます。

メンバー

T.Kさん

IR・広報部

現在、高橋文哉さんがイメージキャラクターを務めていますが、こうした著名タレントの方を起用した広報戦略はどのように始まったのですか?

当社が初めて著名なタレントをイメージキャラクターに起用したテレビCMは、2022年12月に導入した新商品「EC物流お任せくん」のプロモーションから始まりました。このCMでは、俳優の長谷川博己さんを起用し、入庫から出荷・お届けまでをワンストップで提供するという画期的なサービスの魅力を伝える内容で展開しました。その後、企業の認知度向上や採用力の強化といった、より幅広い目的でCMを制作する方針にシフトし、2024年からは俳優の高橋文哉さんを2代目イメージキャラクターとして起用しました。高橋さんを起用したCMには、「EC物流お任せくん『この物流は、スクープだ』篇」や「SBSグループ『働く人も、すごい』篇」などがあり、サービスの魅力だけでなく、企業全体の価値を伝える内容となっています。

高橋文哉さんをイメージキャラクターとして起用することになったのはなぜですか?

当社は2019年からTVCMを開始し、サイト内のCMギャラリーでは「Your Dream篇」として紹介しています。このCMは企業の認知度向上を目的としたブランディング施策の一環です。その後、「プロジェクションマッピング篇」など、先進的な取り組みを紹介するCMも制作しましたが、十分な成果には至りませんでした。当社はM&Aを通じて急成長し、売上高は4,500億円に達しようとしていますが、企業規模に対して認知度が低く、特に関東以外の地域ではほとんど知られていない状況でした。2022年1月に実施したターゲット認知度調査では、認知度は20%台にとどまっていました。ここでいうターゲット認知度とは、30〜50代の男女で、物流業務に関わる、またはその決裁権を持つ層を対象としたものです。一般認知度とは異なり、C層(子ども)やT層(ティーン)は含まれていません。この結果を受け、認知度向上を目的としたプロモーション施策として、2022年12月に「EC物流お任せくん」CMで長谷川博己さんをイメージキャラクターに起用しました。2024年7月からは高橋さんがイメージキャラクターを引き継ぎ、2025年1月の調査ではターゲット認知度が40%を超えました。

TVCMが完成するまでの流れを教えてください。

現在放映中のCM(「EC物流お任せくん『この物流は、スクープだ』篇」、「SBSグループ『働く人も、すごい』篇」)については、2024年2月頃からキャスティングや制作会社等の選定を開始しました。当初、私は新しいイメージキャラクターには女性タレントが適しているのではないかと考えていました。これは、物流に対する“ガテン系”のイメージを払拭し、前回のCMとは大きく雰囲気を変えたいという意図があったためです。しかし、複数の候補者の方々の条件や当社の希望を踏まえ、社内外で慎重に検討を重ねた結果、高橋さんが最適と判断し、出演をお願いすることになりました。イメージキャラクターの選定と並行して、TVCMの脚本づくりも進めました。脚本家の方には、まず物流業界や当社について理解していただくところから始め、野田瀬戸物流センターの倉庫を舞台にすることや、物流ロボットが活躍する場面を盛り込むことなどが決まりました。撮影は野田瀬戸物流センターで行い、全体で2日間、高橋さんの出演シーンは1日で撮影しました。その後、編集や映像チェックを経て、7月末にCM映像が公開されました。制作会社や広告代理店のスタッフの方々や、実際に働く従業員の皆さんにご協力をいただき、企画開始から完成まで、約半年をかけたプロジェクトとなりました。

高橋文哉さんの出演場面で印象的なエピソードはありますか?

CMの最後に、「この物流はスクープだ」という台詞とともにスーツ姿の高橋さんが一回転し、当社のユニフォーム姿に変身するシーンがあります。わずか1秒程度の場面ではありますが、撮影にはかなりの時間がかかりました。ディレクターの意図通りの映像が撮れるまで高橋さんは何度もターンを繰り返し、その場所の倉庫の床の色が変わってしまったほどです。高橋さんの粘り強い姿勢と、ディレクターの強いこだわりから、プロとしての熱意が感じられました。

高橋文哉さんの出演場面以外でのエピソードはありますか?

高橋さんは、誰に対しても気さくに話しかけてくださる方で、とても素敵な印象を受けました。CM撮影では、音声のみを録音する「オンリー」という作業があるのですが、高橋さんがロケバスの中でオンリー収録をされていた際、私も同席する機会があり少しお話をさせていただきました。その中で、高橋さんが埼玉県のご出身で、野田にある高等専門学校で調理師の勉強をされていたことを伺いました。「野田は「庭」みたいなものです」とおっしゃっていて、今回の野田瀬戸物流センターでのCM撮影にご縁を感じました。

CMの中で、思い入れのある場面はありますか?

脚本づくりの段階から、ぜひCMに取り入れたいと思っていたのが「人間とロボットが調和して働くイメージ」のシーンです。実際の作業現場では、安全面の配慮から人間とロボットが一緒に歩くことはありません。そのためCMでは演出であることを明記していますが、当社の先進的な取り組みを表現できたと思います。ただ、正直なところ、どのシーンにも出演者やスタッフの思いが詰まっているのでひとつに絞るのは難しいです。たとえば「EC物流お任せくん『この物流は、スクープだ』篇」で登場するキャットフードの袋は小道具として作られたダミーですが、成分表示まで本物そっくりに再現されていて、現場で見たときは「こんな細部まで丁寧に作り込まれているんだ」と驚きました。

CM制作の裏話のようなものがあれば教えてください。

エキストラにはプロに混じって、社員も出演しています。「SBSグループ『働く人も、すごい』篇」に登場する、すばやくピッキング作業をする社員やトラックを運転するドライバーが登場していますし、「EC物流お任せくん『この物流は、スクープだ』篇」30秒ver.で、変身した高橋さんに「おおー」と拍手するシーンにも、社員が混じって出演しています。また出演「者」ではありませんが、CMに登場するトラックはグループ会社であるSBSロジコムに手配していただきました。認知度調査では、「SBSのロゴの入ったトラックを見て、SBSを知った」という方が多いこともあり、CMではトラックを印象的に見せることにもこだっています。街の中でSBSのトラックを見た時に、このCMを思い出してもらえたら嬉しいです。

CMの反響はいかがですか?

ターゲット認知度がアップしたことは先に触れた通りです。「EC物流お任せくん」の売り上げに、CMがどのくらい貢献したかという具体的なデータはありませんが、TVCM公開後、お客様との商談の場で話題に上がることが多くなったと聞いています。私自身も社外の方とお会いした際に、よく話題になります。何より印象的だったのは社内での評判がとても高いことです。2024年秋のグループ報で、TVCMについてアンケート調査を行ったのですが、「SBSで働いていることを家族に自慢できるようになった」等、好意的な意見が多く寄せられました。特に印象的だったのは「高橋さんがSBSの制服を着ている姿が嬉しかった」という意見が複数寄せられたことです。私たちも、イメージキャラクターに制服を着てもらうことは重視していたので、同じ思いを共有してもらえてとても嬉しかったです。今回のTVCMはSBSグループの社員の一体感やモチベーションアップに大きく貢献したと感じています。また、CM公開後に高橋さんがSNSで取り上げてくださったことで、ファンの方にも広く知っていただけたのは大変ありがたいことでした。

今後の展開について教えてください。

まだどのような内容にするかは決まっていないのですが、新しいTVCMの制作を考えています。前回は倉庫を中心とした物流面に焦点を当てたので、本社の仕事を紹介するのもよいかもしれません。今後も当社の魅力を伝えるTVCMをつくっていきたいと思います。

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